MMパートナーズの松下卓蔵です。
今回は、以前私がお手伝いしたA社のお話をしたいと思います。A社は社員数が20名ほどの地場の運送会社でした。元々、日給制で行っていたのですが、仕事をやってもやらなくても同じ給与。変わるのは時間が長いドライバーほど給与が高くなる賃金体系でした。
その結果、
①仕事の効率が悪く、時間外労働が多かった
②真面目に働く社員ほど不満を感じ、中には退職する社員もいた
③事故も多く、燃費効率も悪く、収益も芳しくなかった
などの問題点を抱えていました。そこで、
①労働時間の短縮を図っても給与が減らないよう、業務毎に標準時間を設定
②事故を起こさい社員には無事故手当の支給
③車種別に目標収益を定め、運転収入、燃費目標を上回った社員には収益を還元
の3点から賃金改定を実施しました。さらに、勤続表彰制度とともに3年連続無事故の社員には無事故表彰制度を導入しました。新賃金体系に不満を持った社員の一部が退職したものの、配車担当者がドライバーと目標収益達成に向けた運行予定の話をすることなど、コミュニケーションがとれる会社になりました。さらに、社長を中心に社員の労働条件の改善を図るべく、荷主と運行コースの見直しによる時間短縮とともに運賃交渉も実施しました。
結果として、労働時間の短縮とともに事故も減少、平均して10%以上の給与アップを果たすことができました。特に運送会社の賃金改定を行うときに考えないといけないのが、「残業代の未払リスク解消」です。同時に、運送会社の収益改善、ドライバー含めた社員の労務環境の改善をはかることで、「社員の辞めない会社作り」が重要になってきます。
人手不足のなかで、社員定着の観点でお悩みの運送会社は、もう一度自社の「賃金・評価制度」を振り返ってみてはいかがでしょうか。
(追伸)
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